兄弟喧嘩はどう止める?上手な手の差し伸べ方
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兄弟喧嘩はどう止める?

上手な手の差し伸べ方

親としては、兄弟喧嘩は悩みの種。仕事や家事で疲れているところに、何回も兄弟喧嘩が起こるともうウンザリ...。喧嘩は止めるべき?放っておくべき?とお困りの方のために、今回は兄弟喧嘩に対する親の対応について解説します。親としての上手な対処法を身につけて、子どもの成長に繋げてあげましょう。

兄弟喧嘩にも意味がある

兄弟喧嘩は全てが悪いわけではなく、それで学ぶこともたくさんあります。自己主張しすぎた時の後味の悪さ、妥協点を探すことの大切さ、自分の言い分が通らない時の悔しさ、謝ることの大切さ、許してもら う嬉しさ、……

まず大切なのは、兄弟喧嘩をした時に怒ったり注意したりするのではなく、お互いの言い分を聞いてあげることです。そのためには、2人一緒のところではなく別々に話を聞くといいでしょう。一緒だと「そうじゃない!」……

話を聞くときは、受容的共感的に聞いてあげましょう。もちろん、子どもたちは自分に都合のいいことばかりを言うと思います。相手の非難ばかりで自分のいけなかったことは言わない。だけど、そこで「人のことばかり言……

そうすると、子どもは「わかってもらえた」という気持ちになります。そして、自分にも非があるのに相手だけを非難しすぎた場合は、やましさを覚えます。それで、自分から「実は、僕もいけなかった」「僕が先に叩いち……

それでも親が望むような反応をしてくれないこともあります。それは、まだ喧嘩の余韻が残っていて、すぐに切り替えられていないだけ。その場で口にださなくても、素ぶりにださなくても、内面ではいろいろと感じている……

兄弟喧嘩の対処の仕方

兄弟喧嘩の仲裁に入ろうとすると、余計にこじれてしまうケースもあります。そんな時は、以下のポイントを参考に対処しましょう。

<ポイント1>上の子だけを一方的に叱るのはダメ!

兄弟喧嘩をしている時に、事情がわからず上の子を叱ってしまう親も多いのではないでしょうか。例えば、「お兄ちゃんらしく/お姉ちゃんらしくしなさい」というように。これでは、上の子が不公平感を持ってしまいます……

<ポイント2>兄弟を比べて叱らない・褒めない

親が気をつけるべき点は、兄弟で比べないこと。「お姉ちゃんを見習いなさい」とか「弟はしっかりしているのに、お前はダメだね」などと叱ると、兄弟間で相手に対する恨みが残ります。褒める時にも「お兄ちゃんはだら……

<ポイント3 >「アイ・メッセージ」で言葉を伝える

喧嘩を止める1つの手段として、「アイ・メッセージ」で親の気持ちを伝える方法があります。「アイ・メッセージ」とはアイ(私)を主語にして相手に伝える話し方です。これに対して、ユー(あなた)を主語にした話し……

<ポイント4>仲の良い時に褒める

これは喧嘩を止める方法ではありませんが、兄弟が仲良くしている時に褒めるのも良い方法です。例えば、お兄ちゃんが弟の落としたものを拾ってくれた時や、弟の荷物を持ってくれた時に、「ありがとう。お兄ちゃんは頼……

もめごとの真相に迫る話の聞き方とは?

例えば、小学4年生の長男と1年生の次男が喧嘩をしたとします。このようなことは時々あるのですが、いつもほかにみている人もいないし、お互い自分に都合のいいことを言うので真相がわかりません。今日こそは、しっ……

A.2人一緒に話を聞き、その場で食い違うところについて聞く B.2人一緒に話を聞き、その後で食い違うところについて別々に聞く C.別々に話を聞き、その後で2人一緒にして食い違うところについて聞くD.別……

<診断結果>

●Aを選んだ日人:×これでは、お互い自分に都合のいいことを言い合うだけになってしまいます。しかも、見ていたものがいないので、それぞれの主張は平行線のまま。これでは真相に迫ることができません。

●Bを選んだ日人:△最初に2人一緒のところで話を聞くと、お互い相手の出方がわかってしまいます。子どもはそれに合わせて上手く予防線を張ってくるので、その後で別々に話を聞いてもなかなか真相には迫れません。

●Cを選んだ日人:◎まず別々に話を聞くことが大切です。こうすることで相手の出方がわからず、予防線を張ることもできません。その後2人一緒に話を聞くと、1人で話を聞いた時と微妙に違うことを言い出すことがよ……

●Dを選んだ日人:◯Cのように別々に話を聞いていく中で矛盾点が出てきて、真相に迫れることもあります。しかし、ずっと平行線のままということもあり得るので、一度は2人一緒に話を聞くことが必要です。

<まとめ>

もちろん、子どもがもめる度に毎回深刻な気持ちで真相を追究する必要はありません。軽く流すことも必要ですし、その方がよい場合も多いはずです。でも、時にはしっかり真相を知る必要がある場合もあります。そういう……

そして、どのような聞き方をしていくべきか手順を考えましょう。子どもは子どもなりに自分を守ろうとして、自分の都合のいいことを言います。手順を間違えると、わかり得たはずのことまでわからなくなってしまいます……

また、冷静になることで、感情的に対応することを防ぐことができるというのもポイントです。感情的になることで真相が見えにくくなるほか、必要以上に子供を傷つけてしまうことにもなりません。

教育評論家
親野智可等さん

年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。TwitterとYouTube「親力チャンネル」とブログ「親力講座」で毎日発信中。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。著書多数。詳細は「親野智可等」で検索。