子どもの自己肯定感を育む!
上手な関わり方
子どもは親の愛情を実感できていると思いますか?叱ってばかりだと、子どもは愛されていると実感できず、自己肯定感が低くなり性格や学力にも影響が出てしまうことも...。では、どう対応すれば良いのか、教育評論家の親野智可等さんにお話を伺いました。
世間では「最近の子は親によるしつけができていない」と言われることが多いですが、「この子は親の愛情 を実感できていないな」と感じることの方が多い。つまり「自分は親に愛されている」「大切にされている」「自……
親の愛情を実感できないのは、親子のコミュニケーション不足のほかにも原因はあります。それは「叱りすぎ」です。「子どもを伸ばすために叱る」と思っている方がいるかもしれませんが、これが大きな間違いです。「こ……
反対に、親の愛情や信頼感に満たされている子は、友達と肩がぶつかったくらいで切れるなどということはありません。たとえ相手がぶつかってきた場合でも咎めたりもしない。これは基本的な信頼感が元になっているから……
叱らなくても、子どもが自然にできるような工夫をする「叱らなくて済むシステム」を導入してみませんか?親が考えても良いし、親子で考えてもいいです。例えば、子どもが片付けられなくて毎日叱っている、という場合……
・毎日◯時◯分から10分間「片付けタイム」を決めて、その時刻になったら決まった音楽が流れるようにセットしておく・ものの置き場所に「おもちゃ」「学校用品」などラベリングをする・収納システムを工夫してあげ……
また、子どもが歯磨きをよく忘れるのでそのたびに叱っている、という場合は次のような工夫をしてみましょう。
・食卓にお箸と一緒に歯ブラシを並べておく・食後の挨拶を「いただきました」ではなく「いただきました、歯を磨こう」に変える・歯磨き粉を数種類用意して、気分によって選べるようにする・歯ブラシを電動歯ブラシに……
このように、何事も合理的な工夫をするようにしてみてください。親が工夫する姿勢を見せることで、子どもも問題解決しようという姿勢を身につけることができますよ。
叱らなくて済むよう工夫しても、なかなか成果があがらないこともあります。しかし、そこでキレて叱ってはいけません。子どもはできないことを直すのが苦手なので、親は成果を望みすぎないこと。「こんなにしてあげて……
大人になってからできることもありますし、できなくてもそれほど困らないこともたくさんあります。子どものできないことを許してあげ、ありのままを受け入れてあげましょう。そうすることで、子どもは安心して過ごす……
親子関係をよくしつつ、自己肯定感を育てていれば、今できないこともいずれそれなりにできるようになるから大丈夫です。できないことを親が叱り続けて、その結果、親子関係が崩壊したり、子どもが自己否定感にとらわ……
教育評論家
親野智可等さん
20年間学習塾を経営、現在は著者・講演家として活動中。自閉症児の母。『一人でできる子が育つテキトーかあさんのすすめ』『子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方』など著書多数。
https://tateishi-mitsuko.com/