知っておくと安心!大人のテーブルマナー〜和食編〜
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知っておくと安心!

大人のテーブルマナー〜和食編〜

接待や会食など、フォーマルな機会でいただく和食。会席料理ともなると、身構えてしまう人も多いのではないでしょうか?そこで、上座・下座のルールや器の扱い方をはじめ、懐石料理と懐石料理の違いをご紹介します。マナーを押さえて、スマートに食事を楽しみましょう。

覚えておきたい和食の基本マナー

<POINT1>上座・下座を確認して座る

和室の席順において、床の間側、床の間がない部屋では出入り口に遠い席が「上座」、出入り口に近い席が「下座」です。着席した後に、上座に座るべき人が入室した際は、食事が始まっていなければ席を譲りましょう。

<POINT2>割り箸は上下に割るのが正解

左右にして割ると隣の人のひじに当たってしまう恐れがあります。割り箸を横にして中央部分を持ち、ひざ上で上下に開くように割りましょう。そのまま使いはじめずに、一度箸置きに戻すのができる大人のマナーです。

<POINT3>お椀のふたは外側に置く

お椀が右側にあるものは右手で右に、左側にあるものは左手で左に裏返して置きます。お椀や小鉢などを持って食べる時は両手で取り上げ、親指を軽く器の縁に添えると上品に見えます。食べ終わったら元通りふたをしまし……

<懐石料理と会席料理の違い>

「懐石料理」は茶席で濃茶の前に出す簡素な料理のこと。一方、「会席料理」とは、料亭や旅館などで提供される酒宴向きの料理のことを指します。基本構成はどちらも一汁三菜ですが、ごはんと汁が懐石料理の場合は食事……

会席料理のコースの流れ

1.つきだし

少しずつ料理が盛り付けられた前菜。お通し、先付とも呼びます。

2.吸いもの

すまし仕立ての汁物で、胃腸を整える役割も。

3.刺身

メインの一つ。お造り、向う付けとも呼びます。

4.焼きもの

切り身や尾頭付きの魚やエビなどを焼いたもの。

5.煮物

野菜や魚の盛り合わせがふた付きの椀で出される。

6.揚げもの

一般的には野菜や魚の天ぷら盛り合わせが出てくる。

7.蒸しもの

かぶら蒸しや茶碗蒸しが代表的。

8.酢のもの

料理の最後に出され、口の中をさっぱりさせる効果がある。

9.ごはん・留椀(止め椀)・香のもの

留椀(止め椀)が出てきたら「残りはデザートだけ」という合図。

10.水菓子・茶

果物やシャーベットなどのデザートと温かいお茶が出てきてフィニッシュ。

上品にお酒を楽しむたコツ

会席料理の合間に楽しむ日本酒には、魚介や魚卵の生臭さを消す作用があります。淡白な料理には生酒や吟醸酒、油っこい料理には味の濃いお酒がおすすめです。燗酒は温度が高くなるにつれて辛さが増すので注意しましょ……

<上手なビールの注ぎ方>

1.最初はおだやかに、徐々に勢いよく泡立てる。そのとき、グラスは傾けずに垂直で注ぐのがポイント!2.泡が沈んで水位が下がるのを見計らって、泡を持ち上げる感覚でゆっくり注ぎます。3.泡がグラスから少し出……

寿司屋の作法Q&A

Q.手で食べる?箸を使う?

A.カウンターの場合は「手でどうぞ」と言われることもあります。しかし、改まった席では箸で食べるのがベター。

Q.お寿司を食べるタイミングは?

A.出されたお寿司はすぐに食べるのがベスト。ネタやシャリの温度管理に気を使っている職人さんも多いので、ネタが乾いてしまわないうちにいただきましょう。

Q.醤油をつけるのはシャリ?ネタ?

A.醤油はネタ側に少しつけるのが◎。シャリにつけると崩れやすくなってしまうのでやめましょう。軍艦の場合は、海苔部分につけます。狩りに醤油をつけてネタに塗ってもOKです。

Q.一貫が大きすぎる場合は?

A.寿司は一口で食べるのがマナー。大きすぎて一口で食べられない時は、シャリの量を調整してもらうように頼みましょう。

株式会社エブリワーク代表取締役
渡邊忠司さん

1964年生まれ。関西大学卒業後、多くのホテリエを排出する株式会社エブリワークに入社し、現在は同社代表取締役を務める。皇室をはじめ、国内外のVIPへの接客実績を活かした講演会など多方面で活躍中。和食・洋食・中華やフォーマルな席でのマナーなどをイラスト付きで解説した著書『食べ方のマナーのコツ』。