怖い脱水症の基本知識
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怖い脱水症の

基本知識

体内の水分量が低下したときに起きる脱水症。様々な体の不調の原因になる症状です。また、夏場に起きやすい熱中症の原因も脱水症にあります。実は水だけを補給しても、体内に水分を貯めることは困難なのです。脱水症の症状や見分け方を理解して、正しく処置できるように備えておきましょう。

脱水症とは!?

脱水症とは、体液(体内の水分)が不足した状態のことです。私たちの体の大部分は体液からできています。体液とは水分と塩分(電解質:ナトリウム、カリウムなどの体が正常に機能するための物質)が混ざった液体で、……

脱水症は、そんな大事な体液が不足することで、体のあらゆる機能が正常に働かなくなるこわい状態です。脱水症の重症度は失われた体液の量によって変わりますが、体重の3~5%失われただけでも軽度の脱水症と判断さ……

どんな時に脱水症になる?

体液は毎日入れかわっていますが、いつも一定になるように調節されています。体に入ってくる水分(代謝水、食べ物の水分、飲料水)と体から出ていく水分(尿、便、汗、不感蒸泄)のバランスが保たれている状態です。……

・慢性型脱水症 飲む量や食べる量が減ることで体に必要な水分をとれなくなり、じわじわと脱水症が起きる状態。高齢者に起きやすく、食欲不振や病気療養、加齢なども原因になります。 ・急性型脱水症 下痢や嘔吐、……

脱水症の症状

脱水症は体液が正常に働かなくなるので、様々な体調不良になります。脱水症の症状は、水分を失う症状と、塩分(電解質)を失う症状に分けて考えましょう。 ①水分を失うと起こる症状 めまい、立ちくらみ、食欲低下……

脱水症の見つけ方

①握手をして、冷たければ疑わしい →脱水症になると大事な臓器に血液が集まり、手足に血液が行かず冷たくなります ②舌が乾いていたら疑わしい →脱水症になると唾液が減少し、口の表面も乾いてきます

③親指の爪の先を押し、赤みが戻るのが遅ければ疑わしい →指先は毛細血管が集まっているので、水分不足が出やすい部分 ④皮膚をつまんで、痕が3秒以上戻らなかったら疑わしい →皮膚には水分が多く含まれていて……

年代別の脱水症のサイン

年代別に脱水症のサインをまとめました。普段はそんなことなかったのに、急に以下のようなサインが現れたときは特に要注意が必要です。 ・乳幼児 □機嫌が悪い □泣いてばかりいる □おっぱいを吸ったまま離さな……

かくれ脱水症に注意!

高齢者や小児は、脱水症になりやすい年代です。高齢者はそもそも体内の水分量が少ないのに加えて、加齢やその他の病気で生理機能が低下していたり、認知機能も衰えている場合があります。

また、小児は生理機能が十分に発達していません。ともに自分では気づきにくく、訴えにくいため発見も遅れがちです。本人も周囲も気づかない脱水症状を「かくれ脱水」といいますが、この段階で処置を施さなければ命に……

このときの水分補給には経口補水液がおすすめ。水分と塩分を補給できるだけではなく、水分の吸収を速めるための糖分も含まれているからです。適切な水分補給で、脱水症にならないように予防することが大切ですね。

教えて!「かくれ脱水」委員会 副委員長
谷口 英喜先生

日本麻酔学会指導医、日本集中治療医学会専門医、日本救急医学会専門医。専門は麻酔・集中治療・経口補水療法などで、著書に『イラストでやさしく解説!「脱水症」と「経口補水液」のすべてがわかる本』などがある。


http://www.kakuredassui.jp/